けなげな野菜図鑑

 

野菜たちが愛おしくなり、食べることが楽しくなる本

www.ehonnavi.net

「野菜は体にいいから、たくさん食べるのよ」

小さい頃から、好き嫌いなく食べるように言われ、

食事には切っても切り離せない存在となった野菜たち。

日常の中に当たり前のように「在る」野菜たちが、

この本を読み切ったときには、

愛おしく感謝したくなる「仲間」のように感じられます。

「あなた、そんな苦労をしてたのね！？」

「ええ、それはさぞかしお辛いでしょう・・・」

「あら、おもしろいわね！」

・・・ページをめくるごとに、知らなかった野菜たちの事情が暴かれていきます。

それだけでなく、

「美肌効果」「ガンを予防する」など、体にとってプラスの栄養情報や、

美味しく食べる方法まで、読みやすくポップに書かれています。

「このお野菜、早く食べたい！！」と思わせてくれる一冊。

この世界の片隅に

www.futabasha.co.jp

舞台は、広島。

戦時下、呉へ嫁いだ「浦野すず」の戦中・戦後の日常が描かれている。

人との出会いや日常生活の描写を通して、

戦時中の暮らしやものの考え方にふれることができる。

暮らし方や戦争への考え方こそ違えど、

学友を想い、人を好きになり、家族とともに生きる、という人間としての営みは

当時も現代も何も変わることがない。

そこに生きている人間は、現代も当時も変わらぬ、同じ「人間」である。

しかし、

時代が違えば、こんなにも生きる世界が違う。

思想が違えば、命さえも軽んじられてしまう。

戦時中は、

「目の前にいる人と言葉を交わせるのは、今日で最後かもしれない。」

という覚悟が当たり前のようにあったのだ。

出征した家族が遺骨で帰ってきても、落ち込むに落ち込めない。

お国のために、勝つまでは、どこまでも戦うのだ。

砂糖も塩も、ろくに手に入らない。

繊維製品を買うための衣料切符は「一人５０点まで」などと制約があり

小学校入学の準備を十分にしてやれない。

倹約に倹約を重ね、それでも家族や地域の人たちと明るく逞しく、

国の勝利を信じて生きる人々が、そこにいたのだ。

今ある当たり前は、当たり前ではない。

目を見て微笑みあえること。

美味しい食事を満足いくまで食べられること。

爆弾の脅威に恐れる必要がなく、思いのままに散歩できること。

日常の一つ一つの営みが、

限りなく貴重で、限りなく有難いことである

と、気付かされた作品。

友達ゼロで不登校だった僕が世界一ハッピーな高校生になれたわけ

『もう学校には行けない』

いじめ、不登校、暴力、対人不安・・・

小学４年生から中学２年生までに体験した人生の暗闇をくぐり抜け、

「自分」として生きる幸せを掴み取った高校生の体験記。

www.kadokawa.co.jp

『「もう無理」「無理無理」「何をしたって、無理」でした。しばらくすると、「不安」が頭をもたげてきました。「学校行かなきゃ、将来がやばいかも」「でも行きたくない」「今行くと目立つだけ」

学校に行かない自分は「普通じゃない」と焦るようになり、かといって行くことは絶対に無理だったので、悶々とするようになりました。』

『その頃の僕は、死ぬのを待っているような感じでした。』

当事者として感じていたことや考えていたことを、赤裸々に綴った本書。

大きな苦しみを乗り越え、

「不登校になってよかった」

「人生って本当によいもの」

と言い切るよしあきさんの言葉に、人生の深みを感じさせられました。

乗り越えた壁の数だけ、人生に深みが増す。彩りが増す。

どんなことがあっても、自分の人生を自分らしく味わっていこう。